リスクマネジメント体制

 アサヒグループは、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指して、リスクマネジメントを刷新し、グループ全体のリスク総量をコントロールしながら適切なリスクテイクを促す体制の構築を進めています。まず、効果的かつ効率的にリスク総量をコントロールするため、2019年1月よりエンタープライズリスクマネジメント(ERM)を導入しました。また、2020年は、「とるべきリスク」と「回避すべきリスク」を明確にするリスクテイクの指針、リスクアペタイトを制定しました。これらを合わせて、リスクコントロールしながら、非連続な成長を支えるM&Aやイノベーションなどにも果敢に挑戦していく方針です。

1.アサヒグループの
リスクマネジメント体制

 アサヒグループは、グループ全体を対象に、エンタープライズリスクマネジメント(ERM)を導入しています。この取組みの中で、グループ理念「Asahi Group Philosophy」の具現化、並びに「中長期経営方針」の戦略遂行及び目標達成を阻害しうる重大リスクを、戦略、オペレーション、財務、コンプライアンス等全ての領域から特定及び評価し、対応計画を策定、その実行及びモニタリングを継続的に実施することで、効果的かつ効率的にアサヒグループのリスク総量をコントロールします。

 ERMを推進するにあたり、代表取締役社長兼Group CEO以下の業務執行取締役、Group CxO及び委員長が指名するFunctionのHeadで構成される、リスクマネジメント委員会を設置しています。ERMはグループ全体を対象とし、リスクマネジメント委員会の委員長である代表取締役社長兼Group CEOが実行責任を負います。

 アサヒグループ各社は、事業単位毎にERMを実施し、リスクマネジメント委員会に取組内容を報告します。同委員会はそれらをモニタリングするとともに、委員自らがグループ全体の重大リスクを特定、評価、対応計画を策定、その実行及びモニタリングを実施します。これらの取組みは取締役会に報告され、取締役会はこれらをモニタリングすることで、ERMの実効性を確認します。

  • アサヒグループERM

    • リスクの定義:AGPの具現化、中長期経営方針の目標達成に影響を及ぼす若しくはそれを阻害する、又は戦略の遂行を妨げる潜在要因
  • グループERMのマネジメント体制

2.アサヒグループ
リスクアペタイト

 アサヒグループは、ERMを推進するとともに、「中長期経営方針」の目標達成のために、「とるべきリスク」と「回避すべきリスク」を明確化する、「アサヒグループ リスクアペタイト」を制定しております。

 「アサヒグループ リスクアペタイト」は、アサヒグループのリスクマネジメントに関する「方針」です。ERMの運用指針及び意思決定の際のリスクテイクの指針となるものであり、リスクに対する基本姿勢を示す「リスクアペタイト ステートメント」と、実務的な活用を想定した、事業遂行に大きく影響する主要なリスク領域に対する姿勢(アペタイト)を示す「領域別リスクアペタイト」で構成されます。グループ戦略、リスク文化とリスク状況、及びステークホルダーの期待をもとに検討し、取締役会にて決定、グループ全体に適用され、実施状況はリスクマネジメント委員会でモニタリング、取締役会へ報告されます。本取組みを通じて、アサヒグループ全体で適切なリスクテイクを促進してまいります。

アサヒグループ リスクアペタイト
フレームワーク

アサヒグループ リスクアペタイトステートメント

 アサヒグループは、持続的な企業価値向上を実現するため、「Asahi Group Philosophy(AGP)」に基づき「おいしさと楽しさで“変化するWell-being”に応え、持続可能な社会の実現に貢献する」を中長期経営方針としています。

 その達成に向けて、

  • アサヒグループは、国内外での高付加価値ブランドの育成を中心とした持続的成長を実現するとともに、非連続な成長を支えるM&Aやイノベーションの創出について、財務健全性と株主価値のバランスをとり、リスクをコントロールする取組みを行いつつ、果敢に挑みます。
  • アサヒグループは、事業運営において、お客様に最高品質の商品をお届けすること、及びアサヒグループで働く全ての人々に安全な労働環境を提供することを、最重要課題と位置付けています。
  • アサヒグループは、自然環境に影響を与えるリスクを低減する取組みを進めるとともに、社会により多くの環境価値を創出するための取り組みに挑戦します。
  • 「アサヒグループ行動規範」、「アサヒグループ人権方針」を遵守することはもちろん、これらの遵守を妨げうるリスクもとりません。