“おいしそう!”を呼ぶ秘密は、うつわと彩り

盛り付けと彩りでより“おいしく”!

食卓を華やかに彩る、様々な形のうつわや彩り豊かな盛り付け…。 食べる前から“おいしそう”と期待を高めるのは、プロの技です。 プロの盛り付けのコツを『紀尾井 なだ万』の咲本調理長に教えてもらいました。 特別に用意してもらった3種類のお皿で、使用したお刺身はすべて同じ。 うつわや盛り付けで、まったく異なる印象の仕上がりに。

さらに、うつわの一種でもあるペットボトルの意匠に込めた想い、 いつまでも食を楽しめるようにとこだわった、介護食もご紹介します。

話を聞いた人

  • 紀尾井なだ万
    調理長

    咲本 博司さん

小皿を上手に利用!家庭で実践できる盛り付け(a.)

小皿を使った盛り付けは普段の食卓で取り入れやすく、色や柄の異なるうつわを数種類並べることで具材ごとにまとまりができ、配置しやすくなるため、全体の統一感がアップ。レモンの輪切りを代用すると、遊び心がプラスされ、バリエーションの幅が広がります。また、お刺身をそのまま配置するのでなく、アボカドやトマトを細かく切って混ぜた「まぐろのサラダ風」や、鯛でかいわれを巻いた「アレンジ巻」を取り入れると、見た目に動きが生まれ、食卓がより華やかで楽しげな印象に変化します。

a. 小皿を活用した家庭で実践できる盛り付け

和食の基本!「平盛り」を生かした盛り付け(b.)

うつわに対して平面的に並べるように盛り付ける、和食の基本「平盛り」。シンプルな盛り付け方だからこそ、重要になってくるのが、“余白”と“彩り”のバランスです。コバルトブルーの鮮やかな色合いが映えるよう、うつわの中央に8種のお刺身を平盛りに。食材の色が重ならないように、金魚草や花丸胡瓜、穂紫蘇(ほじそ)など、赤、黄、緑の食材を中心にした“あしらい”を加えます。素材本来の良さを引き立てる、基本をおさえた一皿は、料理の彩りのひとつひとつを存分に楽しむことができます。

b. 「平盛り」を生かした盛り付け

日本の風情を感じる!立体感のある盛り付け(c.)

朝顔鉢に氷を引いた氷鉢盛りには、山から水が流れる風景をイメージした「山水(さんすい)の法則」を取り入れ、立体感のある一皿に。中央に白磁と銀器、一番奥に竹のうつわを使って盛り付けることで、手前から奥側の“高低差”を上手に生かし、存在感のある雰囲気へと仕上げました。また、笹、ドウダンツツジ、楓などの植物を使用して、四季の移ろいを感じる、風情のある演出もプラス。全体のアクセントにもなり、一目で目を引くような迫力が生まれ、食材の高級感も一気にアップします。

c. 立体感のある盛り付け

ペットボトルも“うつわ”のひとつ

朝一番のコーヒーはいつものマグカップ、友達が遊びにきたときの紅茶はガラスのティーセット。ドリンクの特性や特徴だけでなく、シーンに合わせた『うつわ』を選ぶことで、よりおいしさが引き立つのではないでしょうか。「毎日、何げなく手にするペットボトルも、小さな特別感を与えられる存在になってほしい」そんな開発者たちの想いが込められた、スペシャルボトルをご紹介します。

まるでグラスに入った麦茶を飲んでいるような気分を感じられる〈六条麦茶〉の切子ボトル。日本に17人しかいない江戸切子の伝統工芸士監修のもと、江戸切子の繊細な模様をペットボトルで再現しました。

〈三ツ矢サイダー〉の矢羽根ボトルは、「三ツ矢」の象徴である「矢羽根」をモチーフとした小さな三角形をあしらっています。透明炭酸ならではの澄んだ液色がキラキラと光り輝き、より爽快感を引き立てます。

なめらかな曲線フォルムが印象的な〈カルピスウォーター〉のホワイトボトルは、パネル部分の凹凸を極力除くことで影を抑え、白い液色がより映え、〈カルピスウォーター〉らしい柔らかく優しい印象を引き立てています。

新しいペットボトルの開発では、意匠性だけでなく、容器としての強度、持ちやすさ、開けやすさも同時に実現しなければなりません。何度も試作・検証を重ね、多くの課題を乗り越える原動力は、「丹精込めて作ったドリンクの魅力をより引き立ててくれる『うつわ』で味わってほしい」という、開発者のひたむきな想いです。

介護食に彩りをプラスして、“食べる喜び”を

〈「バランス献立」白身魚だんごのかき玉あんかけ〉

介護食の多くはやわらかいペースト状で、色合いが地味になったり、料理や食材の形が失われてしまいがちです。食べやすく、栄養成分を補うことができても、どこか味気ない……。食事を楽しむためには、やはり「見た目のおいしさ」も大切です。

〈バランス献立〉シリーズは、食べる力が弱くなった方にも、今までとなるべく変わらない食事を楽しんでいただけるよう、「見た目のおいしさ」にもこだわっています。

料理を彩りよく仕上げるために、赤・黄・緑などの、色鮮やかな具材を取り入れる工夫も。また鮮やかな色合いが調理の過程で失われることのないよう、具材の選び方にも気を配っています。

さらに、具材の切り方も料理に合わせて、角切り、いちょう切り、輪切りなど、できるだけ普通の食事に近い調理方法で仕上げることで、色や形、食感も楽しめるように。そうすることで食欲も湧いてきます。

食べることは、人生にとって、一番とも言えるくらい大事なこと。加齢や疾患により食べる力が弱くなったとしても、いつまでも、おいしく、安心して食事を楽しんでもらいたい。そんな想いでお届けしています。

話を聞いた人

  • アサヒグループ食品(株)
    研究開発本部

    宮本 友里さん

関連リンク

■紀尾井なだ万 サイト
https://www.nadaman.co.jp/restaurant/kioi/

■アサヒグループ食品「バランス献立」 サイト
https://www.asahi-gf.co.jp/special/senior/foods/items/balance-kondate/