高度な品質管理技術で「安全」を追求し、お客さまに「安心」していただくためのアサヒの取り組み

食品に求められる大きな価値は「おいしさ」ですが、それ以上に最も大切なことが「安全」です。当たり前のことですが、全国のどこで口にしても変わらないおいしさを、高い品質で日々届けていくためには、商品の安全を守るための優れた技術が欠かせません。今回は、ロングセラービール「アサヒスーパードライ」をはじめとする様々な商品を、安全面で支え続けるアサヒグループの品質管理技術について、私、フードライターの中山秀明が明らかにします。

著者プロフィール

中山秀明

お酒や内食・外食のトレンドに精通した、食の専門家。様々な媒体でグルメをはじめとするインタビュー記事や体験レポートを寄稿。そのほか、テレビや大手企業サイトのコメンテーターを務めるなど幅広く活躍。

食品における安全とは、安心とは

食品の製造販売において、原材料の選定から商品が店頭に並ぶまでの過程で様々なリスクが考えられます。例えば原材料に関しては有害微生物による汚染、農薬や放射性物質による汚染などがあり、製造時には異物混入といったリスクがあげられます。これら、想定されるリスクに対応するため、科学的根拠に基づいた調査や検査などを行い得られるものが「安全」です。すなわち客観的な事実に基づくものが「安全」といえるでしょう。

では、「安心」とは。こちらは、安全な商品を提供することや、信頼される会社であり続ける企業の努力の結果、消費者に生じる主観的な心理といえるでしょう。つまり、「安全」のうえに「安心」が成り立っていると考えられます。

高度な品質管理技術があってこそ、安全な商品がつくられ、消費者が安心して手にとることができる

とはいえ、企業が安全な商品をつくり、消費者に安心だと思ってもらい続けることは簡単ではありません。では、アサヒグループはどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。今回、私が取材で分かったことが2つあります。ひとつは、安全な商品を提供するための品質管理。もうひとつは、様々なリスクに備えるための高度な分析技術の開発です。それでは紹介していきます。

安全な商品を提供するために行っている品質管理

安全な商品をつくるために、「商品開発」「原材料の調達」「工場での生産」「物流」など様々な段階で多くの品質管理に関する取り組みがなされています。ここでは、安全な商品を提供するために研究所と工場で行っている具体的な取り組みについて取り上げます。

まずは原材料調達における「品質分析」です。研究所では、原材料が一定の品質であるか、規格に合っているかどうかの確認や、ときには残留農薬や放射能の汚染がないかなどの特殊な分析も行います。アサヒビール社では、安全で高品質な原材料を調達するために、サプライヤーと「原材料の安定的な確保」「品質契約の締結」などの取り組みを行うとともに、原材料ごとに分析試験項目や分析方法、分析頻度、基準値も制定。日々の原材料の受け入れ時や使用時に、安全性や品質の安定性を確認しているそうです。

工場における生産では、安全な商品をつくるために様々な視点や方法で品質を管理しています。アサヒグループでは、お酒の他に清涼飲料水や食品なども製造しています。清涼飲料水をみても炭酸飲料、果汁飲料、お茶やコーヒー、乳酸菌飲料など様々なカテゴリーがあります。清涼飲料水の種類によって、使用する原材料や、ペットボトル、缶などの容器、殺菌やろ過などの製造条件もそれぞれ異なるため、各製造段階における品質や安全性を確認するための分析項目や検査数も相当な量になるようです。さらに、検査は分析機器を用いるものだけではなく、人の感覚も大事だそうで、官能検査資格を持つスペシャリストによるチェックも行っていました。このように様々な分析や確認を行い、安全で高品質な商品がつくられていることも分かりました。

このような工場での品質管理には、研究所が重要な役割を担ってることを知りました。そのひとつが「新しい分析方法の確立と工場展開」です。全く新しい商品を製造する場合は、品質管理をするための新たな分析が必要になるとのことです。それから研究所では工場の生産性向上に寄与する役割も担っています。どのような役割なのか研究員に話を聞きました。

「工場での経験が浅いスタッフでも一定の精度で品質検査が行えるよう、また迅速かつ正確に分析できるよう分析方法を改善し、それを工場に展開することも研究所のミッションです。分析時間が短縮できれば、製造の効率化や出荷判定を短縮できるからです。こういった取り組みは国内に限りません。海外のグループ会社や提携先企業へも、研究員が技術支援を行って、品質管理のレベルアップと効率化を図っています。」(アサヒグループ研究員)

なるほど、どこの工場で働くどのスタッフでも迅速に正確に分析できるようにするには分析方法の確立が必要で、その役割を研究所が担っている、ということを初めて知りました。それを国内だけではなく海外でも行っているので、海外の工場でも品質のよい安全な商品ができるのですね。

アサヒグループ研究開発センター守谷研究所(茨城県守谷市)

万が一のリスクに備えてアサヒが行う取り組み

皆さまは、食品原料の農薬汚染や微生物汚染、異物混入がニュースとして取り上げられているのを目にしたことはありませんか?アサヒグループの研究所では、そのような万が一のリスク発生に備えて高度な分析技術を開発していました。高性能な分析機器を用いて、農薬、カビ毒、今後想定され得る新たな化学物質や有害微生物の検出技術を高めていくことのほか、容器や外装の検査をはじめとする品質管理技術を磨いているそうです。

安全な商品を届けるために高度な品質管理技術の開発を行う

さらに、これらの分析技術の開発は、グループ各社それぞれの研究所で取り組むだけではなく、グループ会社間で連携し品質管理の知識や技術の情報共有をしているとのこと。アサヒグループでは、組織と組織を繋ぎあう体制を整えており、定期的にグループ会社の品質管理担当者を集めた会議を行っています。そこで各社が開発した分析技術を他のグループ会社へ導入する、「水平展開」をすることで、グループ全体の品質管理のレベルアップを図っていることが分かりました。

「安心」に技術で応え続けるアサヒのチカラ

「アサヒスーパードライ」や「三ツ矢サイダー」、「カルピス」など、国民的ブランドを数多く有するアサヒグループ。これらのロングセラー商品をはじめ、多くの商品が支持されているのは、確かなおいしさの裏に、徹底的に安全を追求し続けている努力があるからでしょう。これこそが、冒頭で述べた安全の上に成り立つ安心なのでしょう。

商品の安全を支えているのが、品質管理技術。研究所が分析技術を開発し、その技術を基に製造時の品質を管理し安全な商品を製造する工場。安全の根本には徹底的な顧客目線があり、「お客さまのために安全でおいしいものを届けたい」という強い思いがあるのを感じました。また、これは日本国内だけではなく、海外のお客さまに対しても変わりません。海外のグループ会社に対しても研究所から技術支援を行い、安全でおいしく、安定した商品を製造するための分析技術や検査方法を伝えていることを知りました。

安全に支えられた安心を提供できるからこそ、アサヒグループの商品は世界中で愛されている

安全に対して技術で応え続け、常に消費者の関心に寄り添う姿勢。ときにはその関心に先回りするかのように意識を向け、将来起こり得るかもしれないリスクにも対応し、消費者を守ろうとする企業姿勢が感じられました。アサヒグループは、今後も安全に徹底的にこだわり続けていくはずです。だからこそ、私たち消費者は安心してアサヒグループの商品を手に取れるのだと思います。国内では人口減少が進み市場の拡大が見込めない中、生き残るメーカーはどこでしょうか?それは安全な商品をつくり私たちに安心を提供し続けてくれる企業でしょう。その一つがアサヒグループであると、私は確信しています。
(記事制作:2018年12月)

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