オオサンショウウオも住む「アサヒの森」がつなぐ自然の恵み

アサヒグループは、広島県に「アサヒの森」を保有し、適切な森林管理を行うことによって、持続可能な森林の保護に貢献しています。今回は、「アサヒの森」における、生物多様性の改善や水涵養（かんよう）すなわち水資源を蓄え、育み、守る森林の働きの保護についてご紹介します。

アサヒグループでは「アサヒの森　生物多様性の保全基本方針（※1）」に３つの方針「守る・活かす・協働する」を定め、継続的に生物多様性の保全に向けた取り組みを行っています。
（※1）「アサヒの森の生物多様性を保全する」「アサヒの森の恵みを活かして利用する」「アサヒの森で一緒に活動する」といった3つの方針と10個の取り組み

2002年より複数年にわたって「アサヒの森」で実施した森林生態系に関するモニタリング調査の結果、これまで植物668種、鳥類60種が確認されています。このうち、植物4種、鳥類12種は重要種(※2)に指定されています。ほかにも多種多様な生物が生息しており、植物、動物ともに外来種が少ないことも大きな特徴です。

これらの調査は、航空写真や既存資料、さらに実際に現地を歩いて目視による観察など、植物と鳥類の調査が中心でしたが、2021年には、環境DNA調査(※3)を実施し、アサヒの森を流れる川の生態系の把握を行いました。
（※2）環境省や広島県のレッドデータブック、国の天然記念物や種の保存法で指定された種のこと
（※3）最新のDNA解析技術によって水や土壌に含まれる生物由来のDNAを検出し、生息状況を把握する手法

アサヒの森には、国の特別天然記念物であるオオサンショウウオも生息

5地点の河川の水を分析した結果、合計7種の魚類のDNAが検出され、1地点では国の特別天然記念物オオサンショウウオの生息も確認。
人工林と自然林のバランスを考えた森林づくりなどの適切な森林管理によって、「アサヒの森」を流れる川においても健全な水域生態系を維持できていることがわかりました。

「アサヒの森」では、水涵養による水資源の保全を行っています。
水涵養とは、森林が水を蓄えながら森林自体を守り育てるはたらきのことです。

2022年、カナダで開催された「生物多様性条約第15回締約国会議（CBD COP15）」にて、生物多様性の保全に貢献する「アサヒの森」の活動を世界へ発信しました。

CBD COP15では、将来的に生物多様性が損なわれ続けるのを食い止め、回復させるための23の国際目標が立てられました。そのひとつが、「30by30（サーティー・バイ・サーティー）」。2030年までに、陸と海それぞれの30％以上を健全な生態系として効果的に保全するという目標です。
アサヒグループは2022年より30by30を目指すアライアンスに参画し、「アサヒの森」の15の山の一つである甲野村山(こうのむらやま)が「自然共生サイト（※5）」に正式認定されています。
（※5）国が認定する、民間の取組などによって生物多様性の保全が図られている区域

「アサヒの森」が提供する森林環境教育については、以下のページをご覧ください。

アサヒグループが取り組む、水資源を保全するための活動については以下のページもご覧ください。