アサヒの森に
ついて
広島県庄原市と三次市に広がる
「アサヒの森」。
そのはじまりと概要について紹介します。
「アサヒの森」の
はじまり
すべては、アベマキの木から始まった
アサヒグループは80年以上に渡り、社員の手で森を守り続けています。
そのきっかけは1941年、アサヒビールの前身である大日本麦酒時代のこと。当時、ビールびんの王冠の裏地に使用していた輸入コルクが、第二次世界大戦の影響で途絶えることがないよう、アベマキの樹皮を代用品として確保するために広島の山林を購入したことが始まりでした。
アサヒの森の概要
2,165※ヘクタールに及ぶ森林
アサヒグループの社有林「アサヒの森」は、広島県庄原市と三次市の大小15ヵ所に点在しています。その総面積は2,165ヘクタール。これは、東京都の中央区と千代田区を合わせたくらいの広さで、東京ドーム461個分に相当します。
※森林管理面積は2,467ha「アサヒの森」が受けた山林指定
「アサヒの森」は広島県の「水源涵養保安林」となっているほか、一部が「ブナ林自然環境保全地域」「神之瀬峡県立自然公園」などの指定を受けています。森林は様々な機能を持っています。洪水の緩和や水資源の貯留、水質を浄化する水源涵養機能、土砂災害防止や土壌を保全する機能、気候緩和や心身の癒しなどの快適環境形成機能や保健・レクレーション機能、学習や教育等の文化機能、さらに野生動物の生息・生育の場として生物多様性を保全する機能、二酸化炭素の吸収源・貯蔵庫としての機能などの公益的機能です。保安林制度は、このような森林の公益的機能の維持・向上等を通じて安全で安心できる豊かなくらしの実現を図る上で重要な役割を果たしています。
人工林と自然林のバランス
「アサヒの森」は、人工林が76%、自然林が24%。スギやヒノキなどの人工林を管理しながら、針葉樹と広葉樹との混交林化を進めるなど、林業の効率化と生物多様性の保全を両立する挑戦をしています。今後も自然林と人工林のバランスを考えながら、長期的な視点から森林を管理していきます。
人工林
「アサヒの森」では、ヒノキ(約75%)とスギ(約20%)を中心とした人工林を造成しています。ここでは森林経営計画に基づく利用間伐中心の計画的な施業を行っています。間伐材は、主に建築材として市場に出荷され、一部は自社の販促品などにも活用されています。
自然林
「アサヒの森」の自然林のほとんどは、天然更新※によって成立したもので、ブナ、クヌギ、コナラ、クリ、アベマキなどの広葉樹のなかに針葉樹のアカマツが生育する典型的な温帯林です。「アサヒの森」の自然林は基本的には自然の遷移に任せています。
※天然更新:植林などの人為に頼らず、自然に落ちた種子の発芽などにより樹木を育成すること。地域の風土に適した樹種を再生させることができる。アサヒの森環境保全事務所
アサヒグループでは1941年に「アサヒの森」を取得して以来、社員の手で森を守り続けています。森を育て、守るには長い年月に渡る適切な森林管理が必要となります。自分たちで責任を持って運営できる体制にするため、 1949年庄原林業所開設に始まり、2007年より「アサヒの森環境保全事務所」として、アサヒグループの社員自らが責任を持って運営しています。きれいな水や空気、自然の恵みを次世代に引き継いでいくことは、自然の恵みを用いて事業活動を行う私たちアサヒグループの責任だと考え、アサヒの森環境保全事務所はこれからも森を守り続けていきます。
アサヒグループジャパン(株)
アサヒの森環境保全事務所
所長 松岡 洋一郎